調律師から見たショパンコンクール④

  • 2021年11月9日
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こんにちは!としさん@津久井俊彦です!
日本では横浜を拠点にピアノ調律師やってます♪

今日は使用ピアノについて。

今回のショパンコンクールでは4つのメーカーで計5台の中から選べるようになっていましたね。

スタインウェイ2台、ファツィオリ、ヤマハ、カワイです。

このスタインウェイ2台、実は予選が始まる前に「今年のショパンコンクールではスタインウェイだけ2台使われるというデマが流れている」なんて事を耳にしました。

こんなデマも流れるくらい注目されているんだなぁと思っていたところまさか本当に2台あるとは。。ヨーロッパの調律師情報網恐るべしです。

さて、今回ヤマハが2次予選で姿を消したことで、「ヤマハの評価は下がっているんですね」なんてツイートを見かけたり同様のDMをたくさん頂いていますが、これはちょっと違います。

メーカーにとってはたくさんのコンテスタントに使われて欲しいですし、優勝者に弾いてもらいたいというのはもちろんあります。やはりショパンコンクールでの優勝ピアノというのは広告効果は世界的に絶大です。

ですが、演奏者同様に「運」の部分で結果が左右されることもあります。

前回のショパンコンクールではNHKで「もう一つのショパンコンクール」として各メーカーにスポットが当てられた内容の番組が放送されたこともあり、調律師の苦悩が注目されました。

その中でファツィオリが1人にしか使われなかったという内容について、この時も「やはりファツィオリはまだ歴史も浅いからしょうがないですね」という声を多く耳にしました。ですが、その年あるいは前年の他の大きな国際コンクールではファツィオリを選ぶピアニストがとても多く、ほぼ独壇場くらいになったコンクールもありました。

こういった事もあってコンクールだけに注目したとしても、ショパンコンクールの結果=メーカーの評価ではないんです。

ただ逆に言えばこういったイメージを与えてしまうくらいの大きな注目を集めるイベントがショパンコンクール、各メーカー1番力を入れてしのぎを削ります。

僕が言えることは、どのピアノも調律調整は本当に素晴らしく、これだけ楽しませて頂いたことに感謝ということだけです。次回に向けて既にプロジェクトは始まっていると思うので、4年後を楽しみに待ちます。

読んで頂きましてありがとうございました。
としさん@津久井俊彦