オーストリアのピアノ事情①

  • 2025年2月21日
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オーストリアのピアノ事情ということで、今回は調律事情の一部、ピアノのメンテナンスについて書いていきます。

これはなんとなくの肌感ではありますが、「ピアノを良い状態で弾くこと」への価値観がより高いかなと思っています。具体的に言うと、定期的に行う調律とは別に5〜15年に一度、ピアノの鍵盤とアクションを工房に預けて消耗している部品、例えば鍵盤内部のフェルトを交換したり、全体の調整を基礎からやり直す作業をされているピアノが日本と比べた時に割合としてとても多いです。

ちなみにこの作業はオーバーホールではなく、メンテナンスと呼んでいいと思います。このメンテナンスをやることによって、楽器そのものを快適に長く使い続けるというのが目的です。

この時に掛かる金額は日本円にすると今は円安もあって計算すると25~30万円以上になることが多いですが、これをやることによって根本的な楽器の寿命は長くなるので、音大の楽器などだけではなく一般の家庭のピアノ、ピアノの先生はもちろん趣味で弾かれる方のピアノもよくメンテナンスで工房にやってきます。

ピアノの状態が良いと何が起こるのかというと、「無駄な練習が減る」、これに尽きると思います。うまく弾けないフレーズがあった時に、普通自分に原因があると思って同じ部分をたくさん練習します。ただこれがピアノに原因がある可能性も十分にあって、その場合は繰り返している時間分損していることにもなったりします。

逆に楽器の状態が良いと、こういう事をせずに最初から音楽に集中できるので、上達も早くなりますし、レッスンでも効率が上がります。

必要なメンテナンスはピアノによっても違いますし、もちろんご予算によっても変わってくるので、メンテナンスが必要になってきた時にはピアノを前にしてじっくり話し合って方向性を決めています。

オーストリアで行われているメンテナンスは日本でももちろんたくさんの調律師さんが勧めてくださっているので、僕も少しずつそういった調律プランみたいなものも今後作っていこうかなと思います。

お読み頂きましてありがとうございます。

としさん@津久井俊彦