留学先でのピアノ事情【ピアノ留学生向け】

ピアノで海外留学する際、誰もが一度は悩むはず。

買うのかレンタルか日本から持っていくか、アップライトかグランドか、あるいは電子ピアノか。

こういった話はオーストリアで調律師をやっているとよく聞きます。
本記事ではこの留学先でのピアノ事情について、留学生たちから実際に聞いた話を元にどんな選択肢があるのかについてまとめています。
これから留学を考えている方の参考になれば嬉しいです。

ピアノを持たないという選択(家では電子ピアノ)

まず音楽大学への留学の場合、生徒は大学で無料で練習できるはずです。

大学によっては24時間開放されている練習棟があるそう。
この場合、家では電子ピアノでもOKと考える留学生もいるみたいです。

これならピアノが弾ける物件に住む必要はないので家賃も節約できます。

ある知り合いの留学生は、家に電子ピアノすら置いていません。ピアノだけ弾く留学生活を送りたくないらしく、家では例えば音楽関係の本を読んだり語学を勉強したりしてピアノの練習は全て大学で、というメリハリのある生活を送っているそうです。ピアノがあるとどうしても弾いてしまうが、ピアノがないと楽譜とにらめっこする時間が増えて勉強になると言っていました。珍しい例ですが、こういう選択肢もあります。

大学ではなく音楽院に留学の場合には、学校で練習できるかによって自宅に置くピアノの選択肢も変わってくると思います。

ピアノを留学先で用意する

ピアノを購入する

次に現地で買う場合です。これはピアノ屋さんで買う方法と、日本でいうメルカリのようなサイトで買う方法があります。

オーストリアの場合はWillhabenというサイトになります。が、適切な値段がついているピアノは多くて100台に1台です。あとは、どうしようもないピアノに高い金額がついているのでオススメしません。

ピアノ屋さんで買う場合には、必ず考えるべきポイントがあります。

留学が終わった時にそのピアノをどうするかです。

日本に持って帰るのであれば長く使っていけるピアノ、留学中だけという事であれば金額重視で選ぶのもありです。ヨーロッパでは日本製のピアノが輸入ピアノになるためヤマハやカワイはかなり高いです。ヨーロッパピアノは日本で見るよりは安いですが、やはりそれなりの値段が付いています。

個人的には留学した直後に高いピアノを買うことはオススメしません。留学の間に耳はどんどん変わっていきますし、色々なピアノとの出会いもあるはずです。

ピアノをレンタルする

大学院の2年間だけといった場合、またはもっと短い1ゼメスターのみという場合にはレンタルもありだと思います。

ただレンタルは割高です。買うよりは安いですがそれなりのピアノをレンタルしようとするとなかなかの金額になります。

この金額はお店によるみたいです。
ピアノという高額なものを借りるという事は日々の生活で常に気を配る必要があるので若干ストレスかもしれません。ウィーンでは日本人が経営されているピアノ屋さんからもレンタルできます。

ちなみに僕の知り合いで最も多いパターンはレンタルです。

ピアノを日本から運ぶという選択肢

日本から運ぶ場合です。
金額は船か飛行機かで変わってきますが、船の場合は40万円くらい。飛行機は100万円くらいです。

この金額は聞いた話なので、季節やピアノの大きさでもかなり変わってくるはずです。船で運ぶと大体2か月くらいかかるのに対して、飛行機はどんなに長くても数日で着きます。ピアノにはもちろん飛行機の方が良いです。船で運ぶとどんなに梱包されていても何かしらの影響がピアノに出ます。

ピアノを日本から持ってくる、または日本へ持ち帰る時の注意点

日本から持ってくる場合と日本へ持って帰る場合、鍵盤が象牙だと話がかなりややこしくなるので注意です。

象牙の輸入(輸出)申請が必要で僕も詳しくないのですが、かなり複雑です。しかもミスがあるとその象牙だけ入国禁止という事で空港で鍵盤をはがさないといけないという事態になります。

象牙の鍵盤のピアノは、輸入代行業者に頼むのが理想です。

【理想】日本人留学生から引き継ぐというパターン

これは最も理想的です。ちょうど留学が終わる日本人がいれば、その留学生は持っているピアノをどうするかという問題に直面しているはずです。たまに聞く話では、ピアノだけではなくその物件ごとそのまま引き継ぐということもあるそうです。ドイツ語だとNachmieterって言います。

同じ大学の先輩など、そういう人がいればお金も安く済んで家具から何からある状態でスタートできるので理想的です。

さいごに

ピアノは他の楽器と違って大きいので、悩みも大きくなりますよね。この問題はいち早く解決したいところです。
これについては留学されている先輩や同期がいればその人たちにも相談されるのが良いと思います。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

以上になります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。としさん