今日はこちらのコンサートへ。
第181回トレモロ会
表参道ピアノ・サロンコンサート
ピアニスト:篠永紗也子
ウィーンで調律に伺ったお客さまから篠永さんのお名前を聞くことがたまにあり、コンサートを聴いてみたいなぁとずっと思っていながらも叶わず2ヶ月前に帰国したわけですが、本日幸運にも東京で聴くことが出来ました。
ピアノはカワイ表参道ということでもちろんSK-EX。この楽器の素晴らしさについては説明の必要はないはずです。
客席にはマスクをされているとはいえ雑誌などで見たことがあるようなお顔がチラホラ。
そしてプログラムもライトなクラシックファン向けというよりは、ディープな人たち、またはピアノを専門にされている方々が唸るような曲がズラリ。
特に後半、プロコフィエフ→ラヴェル→スクリャービンというプログラムで、3人とも僕の中では自らは聴かないというか苦手な作曲家の作品が並んでいて、ちゃんと聴けるかなと実は不安でした。
が、そんな不安は完全に吹き飛ばしてくれて、特にスクリャービンに関してはおそらく人生で初めてスクリャービン良いなと感じた夜になりました。
前半のハイドン、ドビュッシーにも共通して作曲家を近くに感じられる演奏で、個人的にはとても大好きなピアニストさんでした。
「音楽好きとしての感想だけではなく、調律師としてプロ目線での感想も書いてほしいです。」
とのDMを先日頂きましたので、毎回は書きませんが今回はほんの少しだけマニアックな事を書いていきます。
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ピアノの音色って皆さんもご存知の通り色々ありまして、会場や楽器のメーカーによっても変わるのですが、こういった条件とは全く関係なく、コンサートピアニストと呼ばれる人たちが出す共通した音色、もう少し正確に言うとこういった方々が出す音に含まれる”共通した成分”というものが存在しているように感じることがあります。
この成分は特にオーストリアで仕事をするようになってから感じる機会が増えたのですが、今日の篠永さんの出される音にはその成分がビンビンに含まれていました。
この部分に関しては僕も経験と知識不足で「ズバリこれです」みたいな事が言えないのですが、とにかく篠永紗也子さん、注目して頂きたいピアニストです。
日本の未来は明るい。
そして良い音楽は良い。
読んで頂きましてありがとうございました。
としさん/津久井俊彦